「手数料○%」と書いてあっても、何に対する何%なのか、ほかに費用はかからないのかが分からないと、受け取れる金額は見えません。この記事では、手数料の考え方と計算方法、二社間と三社間で差が出る理由を整理します。
手数料は「請求書の額面」に対してかかる
ファクタリングは、お客様が取引先に対して持っている売掛債権(請求書)を、ファクタリング会社が買い取る取引です。買取代金は、請求書の額面(買取対象額)から手数料を差し引いた金額になります。
たとえば 30 万円の請求書を手数料 15% で買い取る場合、手数料は 4 万 5,000 円、買取代金は 25 万 5,000 円です。手数料は「買取対象額に対する割合」で示されるのが一般的で、月利や年利といった期間あたりの表示ではありません。ここが、期間に応じて利息が積み上がる融資とは違うところです。
法律上、売掛債権は原則として自由に譲渡できます(民法第466条第1項)。ファクタリングはこの債権譲渡を使った売買契約であり、金融庁も、ファクタリングは法的には債権の売買(債権譲渡)契約であると説明しています。
手数料率を左右する要素
手数料率は一律ではなく、ファクタリング会社が審査で決めます。一般に、次のような要素が考慮されます。
- 取引先(売掛先)の支払い実績:過去にその取引先から継続して入金があるか。ファクタリング会社が負うのは「取引先が支払わない危険」なので、ここが最も大きい要素です
- 支払期日までの日数:期日が近いほど、会社が資金を立て替える期間が短くなります
- 金額:少額の取引は、1 件あたりの事務の負担が相対的に大きくなります
- 二社間か三社間か:次の項で説明します
- 利用回数:2 回目以降は、初回より条件が良くなることがあります
当社の場合、手数料は買取対象額の最大 22% で、審査のうえ契約前に金額まで明示します。詳しくは料金・手数料をご覧ください。
二社間と三社間で手数料が違う理由
ファクタリングには、取引先に知らせずにお客様とファクタリング会社の二者で行う「二社間」と、取引先の承諾を得て三者で行う「三社間」があります。
| 方式 | 取引先への通知 | 入金の経路 | 手数料の傾向 |
|---|---|---|---|
| 二社間 | しない | 取引先 → お客様 → ファクタリング会社 | 三社間より高くなりやすい |
| 三社間 | する(承諾を得る) | 取引先 → ファクタリング会社 | 二社間より低くなりやすい |
三社間では、取引先が直接ファクタリング会社に支払うため、代金がお客様を経由しません。また、取引先の承諾があることで債権の存在が確認しやすく、譲渡を第三者に主張するための要件(民法第467条の通知または承諾)も満たされます。ファクタリング会社にとっての不確実さが小さいぶん、手数料は低くなる傾向があります。
二社間では、取引先からの入金をいったんお客様が受け取り、ファクタリング会社へ送金します。ファクタリング会社は、入金の確認や送金の遅れといった不確実さを引き受けるため、手数料は高くなる傾向があります。そのかわり、取引先に知られずに資金化できます。違いの詳細は二社間と三社間の違いの記事にまとめています。
手数料以外にかかる費用
手数料のほかに費用がかかるかどうかは、会社によって違います。契約前に確認したいのは次の点です。
- 振込手数料:買取代金を振り込むときの手数料を、どちらが負担するか
- 債権譲渡登記の費用:二社間で登記を行う場合の登録免許税や司法書士の報酬。登記を行わない会社もあります
- 事務手数料・審査料・出張費:名目を変えて上乗せされていないか
- 契約書の印紙:紙の契約書を作る場合。電子契約なら不要とされています
当社では、手数料以外の費用は原則としていただいていません。振込手数料は買取対象額 3 万円以上であれば当社負担で、3 万円未満の場合のみ 660 円をご負担いただきます。債権譲渡登記は行っていません。
消費税はかかるか
金銭債権の譲渡は、消費税法上の非課税取引に当たります(国税庁タックスアンサー No.6201「非課税となる取引」)。そのため、ファクタリングの手数料に消費税は含まれないのが一般的です。「手数料 15%(税込)」のような表示があれば、内訳を確認してください。
手数料を経費として処理する場合の勘定科目や、確定申告での扱いは、ファクタリングは借入ではない:信用情報・確定申告・勘定科目の扱いで触れています。
受取額の計算例(当社の場合)
当社の手数料は最大 22% です。手数料率が 15% と 22% のときの受取額を、30 万円の請求書で比べます。
| 手数料率 | 手数料 | 買取代金(受取額) |
|---|---|---|
| 15% | 45,000 円 | 255,000 円 |
| 22%(上限) | 66,000 円 | 234,000 円 |
実際の手数料率は審査で決まり、契約前にお渡しする個別取引条件で金額まで確認できます。金額を入れて試せるシミュレーターもご用意しています。
契約前に確認したいこと
- 手数料が「買取対象額に対する割合」で示されているか
- 手数料以外の費用の有無(振込手数料・登記費用・事務手数料)
- 取引先が支払わなかった場合に、お客様に請求が来ない契約(ノンリコース)か。金融庁は、売主が債権の回収リスクを負う契約は貸付と判断される可能性があると注意喚起しています
- 契約書に金額と手数料が明記されているか
「相場」として具体的な数値を挙げる資料は業界内に多くありますが、公的機関による統計は見当たらないため、この記事では数値の相場を示していません。会社ごとの条件を、上の観点で比べることをおすすめします。
参考・出典
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
- 民法 第466条・第467条(e-Gov 法令検索)
- 国税庁 タックスアンサー No.6201「非課税となる取引」
- FINSTEP 料金・手数料/特定商取引法に基づく表記
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