配信を始めたばかりの頃は、機材や生活費が先に出ていくのに、最初の報酬が入るのは1〜2か月後。確定した配信報酬をファクタリングで早く受け取れれば、この期間をしのげます。ただし、事務所との契約が雇用なのか業務委託なのかで、使えるかどうかが変わります。この記事で整理します。
配信報酬はいつ入金されるのか
ライブ配信の報酬は、視聴者からのギフト(投げ銭)や時間報酬などをプラットフォームが集計し、月単位でまとめて支払うのが一般的です。締め日と支払日はプラットフォームや事務所の規約で決まり、「月末締め、翌月末払い」のような形が多く見られます。事務所に所属している場合は、プラットフォーム → 事務所 → ライバーと経路が1つ増えるため、さらに遅くなることがあります。
一方で、配信用の機材、照明、通信費、衣装や小物、そして生活費は、報酬を受け取る前に出ていきます。配信を始めて最初の数か月は、売上が伸びているのに手元の現金が足りない、という状態になりやすいのはこのためです。
ファクタリングで配信報酬を早く受け取る仕組み
ファクタリングは、お客様が事務所やプラットフォームに対して持っている「確定した報酬を受け取る権利」(売掛債権)を、ファクタリング会社が買い取る取引です。買取代金は、報酬の額から手数料を差し引いた金額で、当社では電子契約のあと最短当日にお振込みします。
お金を借りるのではなく権利を売る取引なので、借入とは違って返済の予定は発生しません。金融庁も、ファクタリングは法的には債権の売買(債権譲渡)契約であると説明しています。売掛債権は原則として自由に譲渡できます(民法第466条第1項)。信用情報機関への照会や記録もありません。
事務所に知らせずに行う「二社間」では、支払日に事務所からお客様の口座へ入った報酬を、お客様から当社へ送金していただきます。事務所の承諾を得て行う「三社間」では事務所から当社へ直接支払われます。違いは二社間と三社間の違いにまとめています。
事務所との契約が「業務委託」か「雇用」かで変わる
ここがライバーの方に最も確認していただきたい点です。ファクタリングの対象になるのは、業務委託契約に基づく報酬だけです。
- 業務委託(対象になる):事務所やプラットフォームと「業務委託契約」「所属契約(業務委託)」を結び、報酬明細や請求書で報酬を受け取り、確定申告をご自身でしている場合。多くのライバー・配信者はこの形です
- 雇用(対象にならない):事務所に社員やアルバイトとして雇われ、給与として受け取っている場合。給与を受け取る権利の買取の形をとる「給料ファクタリング」は、金融庁と最高裁判所が貸付に当たると判断しており、当社では扱いません。詳しくは給料ファクタリングとは何が違うのかをご覧ください
見分け方は、契約書の題名と、受け取っている明細の名前です。「給与明細」が出て、社会保険に事務所で加入しているなら雇用です。「報酬明細」「支払明細」が出て、源泉徴収の有無にかかわらず確定申告を自分でしているなら業務委託です。
なお、2024年11月に施行された特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)では、従業員を使用する事業者が個人に業務委託する場合、給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間で報酬の支払期日を定めるよう求めています(第4条)。事務所からライバーへの業務委託もこの対象になることがあります。
対象になる報酬・ならないもの
対象になるのは、締め日を過ぎて金額が確定した月の報酬です。報酬明細や請求書で、金額と支払日が確認できる状態になっていることが条件です。
対象にならないのは、次のようなものです。
- まだ確定していない報酬:今月これから配信する分や、締め日前で集計が終わっていない分は、債権として確定していないため対象外です。「来月はこれくらい入る見込み」という金額も対象になりません
- プラットフォームから直接個人に支払われ、請求書も明細も無い場合:報酬の存在と金額を確認できる書類が無いと、審査ができません。管理画面の確定報酬の画面など、確認できるものがあればまずLINEでご相談ください
- すでに他社に譲渡した報酬:二重譲渡は契約違反です
事務所やプラットフォームの規約に「報酬を受け取る権利の譲渡を禁止する」条項があることがあります。2020年の民法改正により、譲渡制限の特約があっても債権の譲渡自体は有効です(第466条第2項)。ただし規約上の扱いは別に残るため、気になる場合は申込時にお伝えください。
必要な書類と、申込の流れ
- 請求書、または報酬明細(買取をご希望の月の分。スマートフォンの画面や写真で結構です)
- その事務所・プラットフォームからの入金が分かる通帳、またはネットバンキングの画面(直近の入金実績。審査の中心です)
- 顔写真付きの身分証(運転免許証・マイナンバーカードなど)
流れは、LINE公式アカウントの友だち追加 → 届いたURLから申込フォームに入力(約10分)→ 本人確認(約5分)→ 審査(最短当日・通常1〜3営業日)→ 電子契約 → 最短当日のお振込み、です。すべてスマートフォンで完結し、来店も郵送もありません。詳しくはご利用の流れと個人事業主の必要書類と審査で見られることをご覧ください。
手数料と、受け取れる金額の目安
当社の手数料は買取対象額の最大22%で、審査のうえ契約前に金額まで明示します。たとえば10万円の報酬を手数料15%で買い取る場合、手数料は1万5,000円、お振込みする買取代金は8万5,000円です。
配信報酬は金額が小さいことも多いので、1点だけご注意ください。買取対象額が3万円未満のときは、振込手数料660円をご負担いただきます。金額が小さいほど、手数料の割合は相対的に重く感じられます。金額を入れて試せるシミュレーターで、受け取れる額を先に確認してください。
使うときに気をつけたいこと
- 毎月の生活費の穴埋めには向きません:手数料は買取のたびにかかります。機材の購入や引っ越しなど、一時的に出費が重なった月の「つなぎ」として使い、翌月以降は通常の入金で回る状態に戻すのが本来の使い方です
- 二社間では送金の義務があります:支払日に事務所から入金された報酬は、契約で定めた期限までに当社へ送金していただきます
- 買い戻しを求める契約には注意:事務所が支払わなかったときにお客様に返還を求める契約(償還請求権あり)は、金融庁が貸付に当たる可能性があると注意喚起しています。当社はノンリコース型で、正当に成立した報酬について事務所の事情を理由にお客様へ返還を求めることはありません
- 事務所との契約条件そのものに問題があるとき:報酬の支払いが理由なく遅れる、一方的に減らされる、といった場合は、厚生労働省の委託事業であるフリーランス・トラブル110番に相談する道もあります
事務所・プラットフォームの方へ
所属ライバーを多く抱える事務所やプラットフォーム向けに、ライバーの方が優遇した手数料で利用できる提携プログラムをご用意しています。貴社の支払サイクルや費用負担は変わりません。提携プログラムと、ライバー事務所・配信プラットフォームの導入イメージをご覧ください。
参考・出典
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
- 金融庁「給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!」
- 民法 第466条・第467条(e-Gov 法令検索)
- 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)第4条(e-Gov 法令検索)
- フリーランス・トラブル110番(厚生労働省委託事業)
- FINSTEP 料金・手数料/ご利用の流れ
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