工事は終わっているのに、代金が入るのは翌々月。材料費や手元の職人への支払いは先に出ていく。一人親方の資金繰りは、この支払サイトの長さで詰まりがちです。この記事では、完成した工事の請求書をファクタリングで早く現金化する仕組みと、建設業ならではの注意点を整理します。
一人親方の入金が遅くなる理由(支払サイトと建設業法)
建設業は、発注者 → 元請 → 一次下請 → 二次下請と、工事が何層にも請け負われる構造になっています。一人親方の多くはこの下流にいて、上の会社が代金を受け取ってから自分の代金が支払われます。「月末締め、翌々月末払い」といった長い支払サイトが珍しくないのはこのためです。
法律には、下請代金の支払いを遅らせないための定めがあります。建設業法第24条の3は、元請負人が注文者から出来形部分や工事完成の支払いを受けたときは、その下請負人に対し、支払いを受けた日から1月以内で、かつできる限り短い期間内に下請代金を支払わなければならないと定めています。ただし起点は「元請が支払いを受けた日」なので、上流の入金が遅ければ、下流の入金も遅くなります。
また、2024年11月に施行された特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)は、従業員を使用する発注者が個人の事業者に業務委託する場合、給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間で報酬の支払期日を定めるよう求めています(第4条)。一人親方への発注もこの対象になることがあります。とはいえ60日は上限であり、材料費を先に立て替える構造は残ります。
ファクタリングで工事代金を早く受け取る仕組み
ファクタリングは、お客様が元請や取引先に対して持っている「確定した工事代金を受け取る権利」(売掛債権)を、ファクタリング会社が買い取る取引です。買取代金は、請求書の額面から手数料を差し引いた金額で、当社では電子契約のあと最短当日にお振込みします。
お金を借りるのではなく権利を売る取引なので、借入とは違って返済の予定は発生しません。金融庁も、ファクタリングは法的には債権の売買(債権譲渡)契約であると説明しています。売掛債権は原則として自由に譲渡できます(民法第466条第1項)。信用情報機関への照会や記録もありません。
元請に知らせずに行う「二社間」と、元請の承諾を得て行う「三社間」があります。元請との関係を変えたくない方は二社間を選ばれることが多く、この場合、支払日に元請からお客様の口座に入った代金を、お客様から当社へ送金していただきます。三社間は元請から当社へ直接支払われ、手数料が下がる場合があります。違いは二社間と三社間の違いをご覧ください。
対象になる請求書・ならないもの
対象になるのは、完成した工事、または出来高として確定した部分の請求書です。元請や工務店、取引先の法人に宛てて発行したもので、金額と支払日が確認できる状態になっているものが買取の対象です。
対象にならないのは、次のようなものです。
- 雇用で働く職人の賃金:日給月給や常用で会社に雇われ、賃金として受け取っている場合は、給与債権の買取になります。給与を受け取る権利の買取の形をとる取引は、金融庁と最高裁判所が貸付に当たると判断しており、当社では扱いません(給料ファクタリングとは何が違うのか)
- 未着工・未完成の工事の代金:まだ債権として確定していないため対象外です。追加工事で金額が決まっていない分も同じです
- すでに他社に譲渡した請求書:二重譲渡は契約違反です
請負契約書に「債権の譲渡を禁止する」条項が入っていることがあります。2020年の民法改正により、譲渡制限の特約があっても債権の譲渡自体は有効です(第466条第2項)。ただし元請との契約上の扱いは別に残るため、気になる場合は申込時にその旨をお伝えください。
自分が「一人親方(請負)」なのか「労働者(雇用)」なのかは、報酬の受け取り方で見分けられます。請負契約書や注文書があり、請求書で代金を受け取り、確定申告を自分でしているなら請負です。労災保険の特別加入制度(厚生労働省)が一人親方を対象にしているのも、一人親方が労働者ではなく事業者として扱われるためです。
必要な書類と、申込の流れ
- 請求書(買取をご希望の分。写真で結構です)
- その取引先からの入金が分かる通帳、またはネットバンキングの画面(直近の入金実績。審査の中心です)
- 顔写真付きの身分証(運転免許証など)
- あれば、注文書・請負契約書・検収書。工事が実在し、金額が確定していることが分かるため、審査が進みやすくなります
流れは、LINE公式アカウントの友だち追加 → 届いたURLから申込フォームに入力(約10分)→ 本人確認(約5分)→ 審査(最短当日・通常1〜3営業日)→ 電子契約 → 最短当日のお振込み、です。現場からスマートフォンで手続きでき、来店も郵送もありません。詳しくはご利用の流れと個人事業主の必要書類と審査で見られることをご覧ください。
手数料と、受け取れる金額の目安
当社の手数料は買取対象額の最大22%で、審査のうえ契約前に金額まで明示します。たとえば50万円の請求書を手数料15%で買い取る場合、手数料は7万5,000円、お振込みする買取代金は42万5,000円です。買取対象額が3万円未満のときだけ、振込手数料660円をご負担いただきます。
手数料率は、取引先からの入金実績、支払日までの日数、二社間か三社間かなどで決まります。請求書の一部だけを買い取ることもできます。金額を入れて試せるシミュレーターと、手数料の決まり方と計算方法をご用意しています。
使うときに気をつけたいこと
- 材料費の立替を毎回ファクタリングで回さない:手数料は買取のたびにかかります。大きな現場の立替をいったん埋めるための「つなぎ」として使い、翌月以降は通常の入金で回る状態に戻すのが本来の使い方です
- 二社間では送金の義務があります:支払日に元請から入金された代金は、契約で定めた期限までに当社へ送金していただきます。次の現場の材料費に使ってしまうと契約違反になります
- 買い戻しを求める契約には注意:元請が支払わなかったときにお客様に返還を求める契約(償還請求権あり)は、金融庁が貸付に当たる可能性があると注意喚起しています。当社はノンリコース型で、正当に成立した請求書について元請の事情を理由にお客様へ返還を求めることはありません
- 支払い自体が不当に遅い・減らされているとき:建設業法やフリーランス法に反する扱いを受けている場合は、ファクタリングの前に、厚生労働省の委託事業であるフリーランス・トラブル110番に相談する道もあります
工務店・元請の方へ
一人親方や下請け職人と多く取引する工務店・建設会社向けに、職人の方が優遇した手数料で利用できる提携プログラムをご用意しています。貴社の支払サイトや費用負担は変わりません。提携プログラムと、建設・内装工事会社の導入イメージをご覧ください。
参考・出典
- 建設業法 第24条の3(e-Gov 法令検索)
- 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)第4条(e-Gov 法令検索)
- 民法 第466条・第467条(e-Gov 法令検索)
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
- 厚生労働省「労災保険への特別加入」
- フリーランス・トラブル110番(厚生労働省委託事業)
- FINSTEP 料金・手数料/ご利用の流れ
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友だち追加すると、お申込み用の URL がすぐに届きます。入力は 10 分ほど、審査は最短当日・通常1〜3営業日、お振込みは最短当日です。
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